
1973年8月23日スウェーデンのストックホルム、ノルマルム広場のクレジットバンケン信用金庫で強盗事件が発生しました。
犯人はオルソンという人物。
オルソンはその時仮釈放の身でしたが9人の人質を取り、現金と服役している仲間の釈放を要求。
事件は首相と電話するまでに至り最終的には催涙ガス注入に気付いたオルソンは自ら外に出てきて逮捕されることになりました。
事件自体は被害者、警察、犯人側にも特に大きな怪我もなく無事に解決したのですが、この事件、今でもひとつの記憶に残る形となって語り継がれているのです。
それは•••
ストックホルム症候群
ストックホルム症候群という名前、聞いたことがある方もいらっしゃると思います。
ストックホルム症候群とは、誘拐事件や監禁事件などの犯罪被害者が、犯人と長時間過ごすことで、犯人に対して過度の同情や好意等を抱く、一種の精神症状であります。
この事件では、犯人が寝ている間に人質が自ら警察の方に銃を向けたり、人質が犯人と協力して警察に敵対する行動を取っていたことが後に判明しております。
また、人質解放後も人質は犯人を庇い警察に非協力的な証言をしたりということからこの事件の名前に由来してストックホルム症候群という名が付けられたのです。
また、それと逆のこともあります。
それがリマ症候群です。
まだ記憶に新しい在ペルー日本大使公邸占拠事件、これは1996年12月17日に起こった、テロリストにより4ヶ月もの間日本大使公邸が占拠されるといった事件です。
こちらの事件ではストックホルムとは真逆で、教育もろくに受けずに育った若いゲリラ達は人質と共に生活することにより内情が変化していきます。
室内にあった本を読み人質と会話することにより様々なことを学びます。
外国の文化や環境に興味を示し日本語の勉強を始めたものもいたそうです。
そして最後は人質を殺めることを躊躇し自ら外に飛び出したところをペルー軍特殊部隊に射殺される若いゲリラ。
出会う順番が逆だったら•••、もし先に本と出会っていたら•••。
そうなれば彼らの人生は全く違ったものになっていたのでしょうか。