
今日は6月第3週目の日曜日。
そう!父の日です!
私も二児の父として娘たちから•••特に何もありませんでした。
というわけで父の日の話はしません。
今日はお父さんではなくて夫婦、ローゼンバーグ夫妻のお話です。
今から63年前の今日6/19、アメリカでローゼンバーグ夫妻の死刑が執行されました。
この夫婦はドイツ出身の核科学者で、アメリカの核開発に携わる職に就きながらその傍らソ連のスパイとして、原爆製造の機密情報を流した疑いをかけられFBIに逮捕されてしまいのちに死刑判決を受けることになったのです。
逮捕当時、証拠は妻の自白のみで夫妻は無実を訴え続けていました。
しかし願い届かず裁判では死刑判決がくだります。
それに同情した支援者たちが助命運動を行い、その中にはアインシュタイン、オッペンハイマー、ピカソ、ピウス12世(ローマ教皇)等のビックネームも連なり、世界を巻き込む騒動にまで発展したのです。
さらにはこの判決を不服とする西側諸国による左翼系のマスコミ各社がアメリカ政府を避難するプロパガンダが行われることにもなりました。
気になる司法の見解はというと、きちんと供述をすれば死刑を回避するとの司法取引まで行われたのですが夫妻は供述を拒否。
結果1953年6月19日19時6分に夫が、19時16分に妻が、共に同じ電気椅子を使用した死刑が執行されたのです。
何とも言えない悲しい事件(?)であります。
さて、この事件、ローゼンバーグ夫妻の死刑が執行された後どうなったのでしょうか。
1990年代前半、冷戦が終結するまで東と西は情報の開示はもちろん、互いに睨み合いを続け常に緊張状態が続いていたため真実が明るみになることはありませんでした。
しかし1995年、ローゼンバーグ夫妻の死刑執行から42年の時を経て一つの真実が発覚したのです。
それはベノナ計画の機密が解除されたと同時に分かりました。
ベノナ計画とは1943年から1980年にかけて、アメリカとイギリスの情報機関の合同による、ソ連が発信した暗号の解読を行う極秘裏に行ったプロジェクトです。
その機密が1995年に開示されたのです。
その結果様々な事実が判明したのです。
大物議員によるスパイ活動や財務次官がソ連からコードネームで呼ばれアメリカの情報を常にソ連に流していたことなど。
その内容は前代未聞のスキャンダルでした。
そしてその中にあったのです。
ローゼンバーグ夫妻の名前が。
ローゼンバーグ夫妻はやはりスパイとしてソ連に核開発の情報を流していたのです。
何というか、映画さながらのお話ですよね。
事実は小説より奇なり、とはよく言ったもので今だからこそ言えますが、何かロマンのようなものさえ感じます。
ちなみに今日は『ロマン(6)チッ(1)ク(9)』ということでロマンスの日であります。